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東京都中央区の心療内科、メンタルクリニック 東京メトロ日比谷線築地駅徒歩1分、有楽町線新富町駅徒歩3分
つきじ心のクリニック 院長の榊原です。
本日もうつ病のお話をしたいと思います。
うつ病の中には、休息だけで改善する軽いもの、お薬を一定期間服用することで良くなるもの、薬+アルファの精神療法が必要なもの(例えば認知行動療法やマインドフルネス、など)など、場合によって治療方針が異なることはお話しましたが、今日はうつ病の陰に別の問題が隠れている場合についての話題を取り上げようと思います。
発達障害という言葉は、最近よく聞くようになったことと思います。発達障害がある人がうつ病を発症した場合、通常のうつ病治療ではなかなか症状が改善しないことがよくあります。つまり、うつ病の陰に隠れていた発達障害という問題を解決しないことにはその人の症状が良くならないということです。
発達障害については、当院のホームページの他の記事(例えば下のリンクの記事が一例です)
http://tsukiji-kokoro.com/medical/medical01.html#link06
を参考にしていただければと思いますが、
・広汎性発達障害(自閉スペクトラム症)
・ADHD(注意欠陥多動性障害)
などがそれに含まれます。
簡単に述べると、それら発達障害は先天的な脳の機能障害であり、知的能力の遅れ、言語発達の遅れ、コミュニケーションの障害、集中力や注意力の障害、衝動性などの問題が幼少期よりみられ、それによって成人になっても日常生活・社会生活において障害となっているものを言います。本来人には個性があり、得意なものと不得意なものはあるのですが、それとは異なるもので「ある部分で極端にできない」ことが特徴です。他の人からは障害とはわかりにくく、「ふざけているのではないか」と思われたりすることもあります。多くは幼少期や小学生の頃に障害とわかり、相応のサポートを受けてきた幸運な人もいれば、発達障害とはわからずに成人になり、学校を卒業して働くようになってからやっとわかった、という人もいます。このような障害を持つ人は、社会人になって働くようになるといろいろな場面でうまくいかないことがあります。職場での対人関係やコミュニケーションがうまくいかず失敗してしまったり、忙しくなると何から手を付けていいかわからずパニックになってしまう、また約束を忘れてしまう、上司からの指示通りにうまくできない、などなどです。
具体的どのような場面で困ったり、どういった対策がいいかはひとそれぞれです。うつ病の治療方針と合わせて、一人ひとりにオーダーメイドで考えていければ、いい方向に向かうのではないかと思います。ぜひご相談ください。