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東京都中央区の精神科・心療内科、メンタルクリニック 東京メトロ日比谷線築地駅徒歩1分、有楽町線新富町駅徒歩3分
つきじ心のクリニック、院長の榊原です。
うつ病の患者さんはクリニックの半数以上を占めますが、その治療方針は人それぞれです。
その前に、「うつ病ではないか」と考えてこられた患者さんに対して正しい診断をすることが大変重要です。
私たちの場合、検査をして一発で診断をつけるような科ではなく、患者さんの話を中心として情報をかき集め、あらゆる可能性からうつ病の診断に至るのです。時に診断が確定するまでに何ヶ月もかかる場合もあります。その判断は、やはりうつ病とよく似た他の疾患を数多く診療した経験が必要ですので、精神科や心療内科の経験豊富な医師にかかることが賢明ではないかと考えています。
まず、これまでの経過・治療歴、血液検査の結果(血液検査は当院でもできます)などで、うつ病以前に身体の病気の問題だ、ということがあり、この場合はまず該当する診療科(内科や泌尿器科、婦人科など)にかかるように伝えることがあります。
その後、うつ病とそれ以外の心の病気との区別をすることになります。まず双極性障害や統合失調症といった病気は、うつ病とよく似た症状を現すことがあります。しかしうつ病とは治療薬が異なるため、うつ病の治療薬である抗うつ薬を服用すると症状が悪化したり、「いらいらして逆に落ち着かない」「テンションが高すぎる」などという別の症状で困ってしまうことがあるため注意が必要です。
うつ病という診断がなされても、その治療方法は様々です。日常生活の見直しや休息、職場や家庭環境の改善などだけで改善するような軽いうつもあれば、しっかりと薬を一定期間服用しなければならないうつもあります。最近は加えて認知行動療法やマインドフルネス、といった精神療法が良い場合もあります。何ヶ月、何年も改善が見られない場合は、本人の置かれた状況をさらに探らなくてはなりません。本人の生活環境、性格、生育歴、飲酒歴、発達障害といった合併症がうつ病の改善のさまたげになっている場合もあります。
とにかく、患者さんごとのオーダーメイドの治療方針をお示しできればと考えております。