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こんにちは。
きょうは「うつ病」について、心療内科・精神科の視点から、やさしくご説明したいと思います。
私たちは日々、仕事や家庭、人間関係などでストレスを感じながら生活しています。ときには気分が落ち込んだり、やる気が出なかったりすることもありますよね。でも、そのような状態が長く続いたり、日常生活に支障が出てしまう場合、それは「うつ病」という病気かもしれません。
うつ病は、単なる「気の持ちよう」や「甘え」ではなく、脳の働きに変化が起こることで心と体に影響を与える病気です。以下のような症状がみられることが多いです:
気分がずっと落ち込んでいる(悲しみ、不安、イライラ)
何をしても楽しく感じない(興味や喜びの喪失)
自分を責めたり、無価値に感じる
将来に希望が持てない
死にたくなるような気持ちがわく
食欲がなくなる、または食べすぎてしまう
不眠(寝つけない、途中で目が覚める、早朝に目が覚めてしまう)
逆に、眠りすぎてしまう
疲れやすい、だるい
頭痛、胃の不調、肩こり、身体の痛みなどの身体的な不調
こうした症状が2週間以上続く場合は、うつ病の可能性があるため、早めに心療内科や精神科を受診することをおすすめします。
うつ病の原因はひとつではありません。いくつかの要因が重なって発症すると考えられています。
ストレス(仕事のプレッシャー、家庭の問題、人間関係など)
体質や性格傾向(まじめで責任感が強い、がんばりすぎてしまう人)
過去の体験(幼少期のつらい経験、喪失体験など)
脳内の神経伝達物質のバランスの乱れ
こうしたさまざまな要因が絡み合って、心と体のバランスが崩れてしまうのがうつ病です。
うつ病は適切な治療を受ければ、回復する病気です。治療の方法はいくつかあります。
脳内の神経伝達物質のバランスを整える「抗うつ薬」が処方されます。効果が出るまでに2〜4週間ほどかかることが多いですが、焦らず継続することが大切です。副作用については医師と相談しながら進めていきます。
認知行動療法などのカウンセリングでは、ものの見方や考え方のクセを見直しながら、少しずつ心を軽くしていきます。自分の気持ちを言葉にすることが、回復の第一歩となることもあります。
うつ病の回復には、無理をせず「休むこと」がとても大切です。よく寝て、よく食べて、少しずつでも体を動かしてみること。朝起きて、太陽の光を浴びるだけでも脳の働きや生活リズムが整いやすくなります。
家族や友人、職場の人たちの理解があると、安心して治療に専念できます。「がんばれ」と励ますよりも、「無理しないでね」と声をかけることが、うつの方には心強く感じられます。
うつ病の回復には時間がかかることもありますが、「必ずよくなる」と信じることが大切です。「充電期間」と考えて焦らず、少しずつ、できることから始めていきましょう。
もし、「最近ずっと気分がすぐれない」「何をしても楽しくない」「眠れない」などのつらさを感じている方がいれば、一人で抱え込まずに、どうぞご相談ください。あなたの心の声に耳を傾けます。
こころの不調は、決して特別なことではありません。風邪と同じように、誰にでも起こりうることです。そして、適切なケアを受ければ、また笑顔で過ごせる日が戻ってきます。
築地 心療内科 つきじ心のクリニック