つきじ心のクリニック

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日光と睡眠の深い関係 ~毎朝の光が、心と体のリズムを整える~

私たちの心と体の健康には、「体内時計(サーカディアンリズム)」と呼ばれる24時間のリズムが大きく関わっています。このリズムが乱れると、寝つきが悪くなったり、夜中に目が覚めたり、朝起きられなくなったりと、睡眠の質が下がってしまいます。実は、この体内時計をリセットしてくれる最も強力なスイッチが「朝の日光」なのです。

朝起きてから1時間以内に太陽の光を浴びることで、脳の中の視交叉上核(しこうさじょうかく)という部分が刺激され、体内時計がリセットされます。これにより、「今が朝だ」と体が認識し、活動モードに切り替わります。さらに、この光の刺激は「セロトニン」と呼ばれる神経伝達物質の分泌も促進します。セロトニンは心の安定に関わる物質で、不安や抑うつを和らげる働きがあると考えられています。

また、日中にしっかりセロトニンが分泌されることで、夜になるとメラトニンという「眠気をもたらすホルモン」が自然に分泌されやすくなります。つまり、朝の光を浴びることが、夜の質の良い眠りにまでつながっているということです。

近年、うつ病や不眠症の治療にも「光療法」が使われるようになってきました。特に冬季うつ(季節性情動障害)では、朝の日照時間の少なさが発症に関与しているとされ、専用の光を使って体内時計を整える治療が効果を上げています。

築地という街は、朝が早く活気のある街です。もし眠りに悩みがある方がいらっしゃれば、朝の散歩を習慣にしてみるのも良いかもしれません。天気の良い日は5〜15分、目に朝の光を取り込むだけでも、心と体が少しずつ整っていきます。

日光は自然からの優しい処方箋。朝の光を味方に、少しでも心地よい眠りが訪れることを願っています。

築地心療内科 つきじ心のクリニック

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