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東京都中央区の心療内科、メンタルクリニック 東京メトロ日比谷線築地駅徒歩1分、有楽町線新富町駅徒歩3分
つきじ心のクリニック 院長の榊原です。
今日は睡眠に関係の深い、「メラトニン」というホルモンのお話です。
メラトニンは、脳の松果体から分泌されるホルモンです。その働きは以下の3つと
言われています。
(1)体内時計を調節する作用(24時間のリズム、あるいは季節のリズム)
メラトニンは24時間、体内で分泌し続けています。
上の図のように、昼間はチョロチョロと微量を分泌しているだけなのですが、夜になると急激に分泌が増加
することが知られています。上のような分泌量のカーブを24時間周期で繰り返しているので、体内時計を調節
している働きをもっているのです。
またメラトニンの分泌は、目から入る光によって分泌が減ってしまうことがわかっています。
(2)眠気を引き起こす作用
対外からメラトニンを投与すると、眠気が強くなることが知られていて、そのことから、メラトニンは
睡眠薬のような作用をもっていると言えます。ただメラトニンは「寝つきをよくする」という働きしかなく、
眠りを深くするとか、夢を見る睡眠(レム睡眠)に影響することはないと言われています。
(3)体温(深部体温)を下げる作用
メラトニンは、体温を下げる作用があると言われています。
もともと人間の体温は微妙に1日の中で変動していますが(1℃くらいの幅で)、
夜寝るころに、ちょうど体温が急激に下がるのです。
おそらく、この体温が下がるタイミングをメラトニンが関与しているのではないか
と言われています。
このように、メラトニンというホルモンは睡眠に大きく影響していることが最近わかってきて、
それを不眠に対していかせないか研究が進んでいます。(次回へつづく)