つきじ心のクリニック

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発達障害と適応障害の関係について

最近、「発達障害」や「適応障害」という言葉を耳にする機会が増えてきました。どちらも「こころの不調」に関わる言葉ですが、それぞれの違いや関係性について、少しわかりやすくご説明したいと思います。

まず、発達障害とは、生まれつきの脳の特性によって、考え方や感じ方、人とのコミュニケーション、行動の仕方などに特徴がある状態を指します。代表的なものには、自閉スペクトラム症(ASD)、注意欠如・多動症(ADHD)、学習障害(LD)などがあります。これらは「障害」と言っても、本人の努力不足ではなく、あくまでも特性です。その人なりの強みや弱みがある、という風に考えると理解しやすいかもしれません。

一方、適応障害とは、ある環境や状況にうまくなじめず、強いストレス反応が出てしまうこころの病気です。職場や学校、人間関係などの変化がきっかけとなって、気分の落ち込み、不安、イライラ、体のだるさ、仕事や勉強のパフォーマンス低下などが現れます。多くの場合、環境を整えたり、カウンセリングやお薬などで対応していくことで回復が期待できます。

では、この二つはどう関係しているのでしょうか?

実は、発達障害のある方が、周囲との関係や環境への適応に苦労することで、二次的に適応障害を発症することがあります。たとえば、人の気持ちを読むのが苦手だったり、空気を読むことが難しかったりして、職場や学校で孤立したり、誤解されたりしてしまう。すると、強いストレスを感じ、こころが疲れてしまい、適応障害のような状態になるのです。

このような場合、単に「環境に合わなかっただけ」と見るのではなく、「背景に発達特性があったのかもしれない」と気づくことが大切です。そして、それぞれの特性に合わせたサポートや環境調整を行うことで、症状が軽減し、より自分らしく過ごせるようになります。

もし「周りとうまくいかない」「がんばっているのに疲れてしまう」「職場や学校に行くのがつらい」などのお悩みがあれば、ひとりで抱え込まず、ぜひ専門の医療機関にご相談ください。当院では、発達特性や適応障害の評価を含めて、丁寧にお話をうかがいながら、一人ひとりに合った対応を一緒に考えてまいります。

築地 心療内科 つきじ心のクリニック

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