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皆さんは「広場恐怖症」という言葉を聞いたことがありますか?
名前からは「広い場所が怖いのかな?」と思うかもしれませんね。でも実は、それだけではありません。広場恐怖症とは、「逃げ出したり助けを求めたりするのが難しいと感じる場所や状況」に強い不安を感じる病気です。
たとえば、
電車やバスに乗ると不安になる
混雑したショッピングモールに行けない
映画館やコンサート会場に長時間いられない
一人での外出が怖くてできない
といったことが起こります。
多くの場合、広場恐怖症は「パニック発作」と関係があります。パニック発作とは、突然動悸が激しくなったり、息苦しくなったり、「このまま死んでしまうのでは」と思うほどの強い不安に襲われる症状です。
一度こうした発作を経験すると、「また同じことが起きたらどうしよう」という恐怖から、発作が起きた場所や似たような場所を避けるようになります。これが続くことで、次第に行ける場所が限られてしまい、生活に大きな支障が出てしまうのです。
「そんなの気の持ちようだよ」「出かけなきゃもっと悪くなるよ」と言われることもあります。でも、本人にとっては本当に苦しく、努力ではどうにもできない強い不安なのです。
そのため、「なぜできないのか」を責められると、ますます自信をなくし、外出が怖くなってしまうこともあります。
広場恐怖症は、治療することができます。
主な治療法には、以下のようなものがあります:
薬物療法:不安をやわらげる薬(抗不安薬や抗うつ薬など)を使います。
認知行動療法:不安を感じる場面に少しずつ慣れていきながら、「大丈夫だった」という成功体験を積み重ねていく方法です。
安心できる人と一緒に行動する練習:信頼できる人と少しずつ外出する練習を行うことも助けになります。
治療を始めて少しずつ「できること」が増えていくと、自信がつき、再び自由に行動できるようになります。
もしこの記事を読んで、「これ、もしかしたら自分のことかも」と感じた方がいたら、どうかひとりで抱え込まず、心療内科に相談してみてください。治療の第一歩は、「困っていることを伝えること」です。あなたの苦しさを、私たちは理解し、サポートする準備ができています。
あなたの心に寄り添いながら、一歩ずつ進んでいきましょう。
築地 心療内科 つきじ心のクリニック